SSブログ

10.1 自家採取した夏野菜種を収納 [ファーマーの“一日一楽”日記]

別立てブログ「薬屋のおやじの“一日一楽”&“2日前”の日記」で投稿した記事で、ファーマーに関するものは、このブログで再掲することにします。

<一日一楽日記>(落ち込みから脱却・幸せ膨らむ ※1
 近年売られている野菜の種は、種屋さんが開発したF1(品)種とかハイブリッド(品)種、あるいは交配(品)種と呼ばれるものが圧倒的に多い。これはこれで良い所もある。例えば、「味は良いのに病気に弱く育てにくい系統」を「おいしさは満足いかないが病気に強く栽培しやすい系統」と掛け合わせて「おいしくて育てやすい品種」を見つけ出したりすることができる。また、もう一つ良く知られているのが、雑種強勢(一般的に縁の遠いもの同士のかけ合わせで生まれた子孫は生育がとても旺盛になる)の利用である。こうした品種改良に種屋さんは懸命になっている。そして、特に日本では形の良い大きさの揃った野菜品種の開発に熱心だ。
 これらの品種改良は、その昔から行われてきており、掛け合わせによってできた新品種の種を自家採取して種蒔きすれば「次世代も同じ品質が得られる」という観点に立って進められてきた。これを固定種と言う。その昔は篤志家がこれを行い、明治以降は国や県の農業試験場が行ってきた。
 しかし、これでは開発者利益は得られない。新品種の種を1回売ったら、それでおしまい。そこで編み出されたのが、新品種の種を自家採取しては次世代はまともに育たない品種の開発だ。こうすれば、毎年、新品種の種を農家は買ってくれる。
 現在出回っている野菜の種の大半は、こうした“改悪”されたものがほとんどだ。よって、野菜の種はけっこう値が張る。もっとも、たいていの野菜は種がたくさんできるから、そうたいした価格にはならず、そうそう農家の負担にはならないが。例外なのは、1本の木からどれだけも種ができないキュウリぐらいのものだろう。
 しかし、野菜の生育というものは、その地その地の土壌や気候に大きく左右されるのが普通だ。極端な話、同じ畑であっても東端と西端とでは土壌が違ったり、地下水脈の深さが違ったりして、生育差が生ずる。東端はキュウリが良く育つが、トマトはダメだったりもする。よって、玄人(くろうと)百姓は、畑によって栽培品種を変えたり、畝の高さを調節したり、肥料の入れ具合を変えたりする。
 気候の影響が大きいのは、身をもって体験した。それはヤーコンである。これは種芋から育てるのだが、原産地は赤道直下のアンデス高地であり、日本における種芋も気候が比較的類似した信州あたりの中山間地から出荷されることが多い。その種芋を購入し、当地岐阜の濃尾平野、夏は日本一の猛暑になる所で栽培すると、初年度はヤーコンが“熱中症”にかかって枯れてしまったり、枯れなくても生育がとんと悪く、芋の収量は非常に悪い。しかし、ヤーコン芋は当地の気候を学習する。そして、それが生命記憶となり、次世代に伝えられ、翌年は枯れることはなく、収量もどれだけか上がる。3年目ともなると、より良くなる。これは、ヤーコン芋の芽の部分、これが次世代に生育する元になるのだが、この芽の部分に暦年の気候が生命記憶されていると考えるしかない。でも、環境順応にも限度というものがあり、当地でのヤーコン栽培はなかなか難しい。
 これは、野菜の種、一般に言えよう。固定種であれば、種に暦年の気候が記憶されるであろうし、土壌条件や地下水脈の深さも記憶されるであろう。これが、固定種の良いところであり、種を自家採取して繰り返し毎年その種で栽培すれば、高品質の野菜が高収穫になろうというものだ。
 うちでは、なるべく夏野菜は種を自家採取して育てようと思っている。今年、自家採取した種は、キュウリ、ゴーヤ、オクラ、十六豆(2種類)、網干メロン。一昨年まではトマト、昨年までは白ナスもそうしていたが、育苗にかなり手間がかかるから、類似品の苗に切り替えようと思い、種取りはだんだんしなくなってきたが。今年、後期高齢者となったから、ここは許されよ。
 さて、今年の自家採取種のうち、十六豆は黒種品種、白種品種ともに出来が悪かったり虫食いが入ったりして不作であり、来年の種が不足するが、ここは昨年の余り種で補充することにする。十六豆はよくあること。その他の野菜は、例年どおりに十分に種が取れた。
 それをしばらくの間、陰干しにしておいたのだが、今日、紙袋に入れてメモ書きし、チャック付きのポリ袋に入れ込み、それをブリキ缶にしまい込み、来春まで冷蔵庫保管することとした。このブリキ缶には、他に、絹さやエンドウ、徳田ネギの種が収納してあり、なくてはならない貴重な財産だ。

※1 2012.9.2別立てブログ記事で書きましたが、毎日何か楽しい出来事が少なくとも1つはあったはずであり、それを書き綴っていけば落ち込みから脱却できるとのことで、小生も“一日一楽”日記を付け始めました。
 また、もう一つの別立てブログの2015.3.3の記事で紹介しました、ひすいこたろう著「ものの見方検定」に書かれている「小さな幸せに気づくレッスン」で次のように述べられています。
 「わたしは今日幸せでした。なぜならば…」、これの続きを3つ考えてから寝てください。寝る前に幸せを味わって眠ると、不思議と、朝起きたときの表情が違うんです。これも続けるとよくわかるのでぜひお試しくださいね。
 小生も早速これを始め、うち1つを記事にしたところです。
コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。