SSブログ

9.16 農具の名称はところ変われば皆違う。「テンワ」って聞いたことある? [ファーマーの“一日一楽”日記]

別立てブログ「薬屋のおやじの“一日一楽”&“2日前”の日記」で投稿した記事で、ファーマーに関するものは、このブログで再掲することにします。

 別立てブログで百姓日記を書いているのだが、農具の一般的な名称が分からず、困っている。ネット検索してもイマイチ分からない。
 最もよく使うのは「ビッチュウ(備中)、クワ(鍬)、テンワ(当地の方言)、カマ(鎌)、テボ、スコップ」の6点であり、わざわざ自宅から300m離れた須賀前の畑へ持っていくのは面倒だから、2セット用意して、須賀前の畑の物置にも常備している。
 ビッチュウ(備中)といえば、刃の先が2本から6本に分かれているものを「備中鍬(びっちゅうぐわ)」と言い、略してビッチュウで通るのだが、別名に「万能」その他いろいろな呼び方があるそうだから、ややこしくなる。
 クワ(鍬)、カマ(鎌)、スコップは一般に使われる言葉で、解説不用であろう。
 テボとなると、当地だけで通用する名称らしい。片手で使う小型のスコップで、まっ平らなおにぎりの形状をしており、苗の植え付け穴を掘るときに必ず使う。
 困ったのは「テンワ」である。これは今は2種類あるが、昔は1種類しかなかった。下に写真を貼った。右側が昔からのもの。(柄は鍬よりも長い)
DSCN0698.JPG

 今日、ネットであれこれ調べてみたが、この2つはクワ(鍬)の部類で、「草かき」と言うのが一般名称のようであるが、左側のものを「窓ホー」と言ったりし、右側のものを「唐鍬」と言ったりするようでもある。別の呼び名もあるようだ。
 さて、ここからが面白い。写真の右側のものをうち辺りでは「テンワ」と呼んでいるのだが、小生が小学生の頃、同じ小学校ではあるが違う部落の同級生が、これは「マンノ」だと言い張る。「テンワ」なんて聞いたことがないと言うのである。昔の上羽栗村(約4㎢)という狭い地域でありながら、西のほうでは「テンワ」と言い、東のほうでは「マンノ」と言うようだ。信じられない話であるが、事実なのである。
 近年では、この「テンワ」はあまり使わなくなり、代わって左側の農具を汎用するようになった。そして、これを「マンノウ」と言うのが当地近辺では普通の呼び名らしい。「マンノウ」とは「万能」と書くのであろう、万能(ばんのう)の農具であろうから、そう言うように思える。
 ところで、最初に「ビッチュウ(備中)の別名が万能」と紹介した。まるで違う形状、使い道も異なる農具が同じ名称とは、これまたいかに。
 かように農具の名称は混乱させられる。百姓日記で頻繁に登場させる「テンワ」であるが、どうしてこんな名前になったか。きっと、これは鍬の小型のものだから「手鍬=テクワ」といい、なまって「テンワ」になったのかな、と勝手に想像している。よって、百姓日記では、時折「テンワ(手鍬)」と書いて、読者に少しは分かってもらえないかと思うも、きっと分からないだろうなあ。
 というようなわけで、今回、写真入りで紹介したまで。 
 
コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。