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7.13 大いなる虫と人との共生 [ファーマーの“一日一楽”日記]

(別立てブログ「一日一楽日記」で先ほど投稿したが、こちらのほうが座りがいいので再掲することとし、追記したものです。)
 小生が百姓を本格的に覚えたのは十数年前からおふくろに手ほどきを受けてのものである。
 都市近郊で人の動き(車の動き)の激しい所であるからして、野菜の病原菌がそこら中から入ってきて、うまく育たなかったり虫食いだらけになる野菜がけっこうある、と教わった。
 その一つが枝豆であり、食べ頃になったときには虫食いだらけになり、おふくろは作らなかった。よって、小生も、枝豆はよほど消毒しなきゃ駄目だと思っていた。
 でも、真夏に食べる枝豆はうまい。無農薬で何とか育たないものか、と今年初めて真夏の枝豆作りに挑戦した。
 段々実が膨らんできて、昨日の段階で部分的に収穫できる状態となった。よく見ると、確かに虫食いのものがけっこうある。10月末にやっと実が膨らむ晩生枝豆は毎年作っているのだが、それに比べるとうんと虫食いが多いものの、虫食いはせいぜい半分だし、豆が3つのもので虫食いになっていても1つか2つだから、それを切って捨てれば残りは食べられる。
 昨日は、十分に膨らんだものは部分的だったから、選んでは1つずつハサミで切り取るという収穫の仕方をしたから時間はかかったが、虫食い部分を切り捨てることができ、後が楽だ。
 こうして昨晩に枝豆の初物を食した。
 やはり夏の枝豆はうまい。よくゆでたものでないと、おふくろには食べられないし、小生も女房も、そのほうがうまいと感ずる。めちゃ蒸し暑かった昨日。ビールを飲みながらの枝豆は最高だった。
 1か月遅れで第2弾の種蒔きもしてある。これは、お盆頃から食べられるかもしれない。
 今年はときどき枝豆が食べられる夏となる。
 今回経験したことは、「半分は虫のご馳走、半分は人間様のご馳走」と思って無農薬で栽培することだ、としみじみと感じた。
 虫を毛嫌いせず、全部が全部を手に入れようと欲を出さなきゃいいのだ。つまり、厳密には共生ではないけれども、豆の提供者(=食われる植物)の立場に立ってみれば、自分を食べる動物が虫であったり人であったりするだけのことであるからして、「大いなる虫と人との共生」と捉えていいのではなかろうか。

 このことは枝豆だけではない。同様におふくろが作るのをやめ止めとけと言ったキャベツがそうである。少々遅がけに苗を植えれば、大した虫害はないだろうからと、数年前から無農薬でキャベツの栽培を始めた。予想外に虫に食われず、高収穫となった。もっとも、巻いた玉の奥のほうにたいてい虫が潜んでおり、長く冷蔵庫に入れておくと内側から食われまくり何ともならなくなることがあるが。
 そして、昨年からは夏キャベツの栽培にも取り組んだ。葉っぱを虫にバンバン食われるが、玉を巻きだすと不思議なことに玉にはあまり虫がつかない。もっとも、玉がまあまあ巻いた頃から所々にやたらと穴を開けられてしまうものもけっこうあるが、穴開きの葉っぱであっても美味しく食べられる。
 残念なのは、玉の巻き始めに芽を食ってしまう虫もいることだ。こうなると玉が巻かずお手上げである。
 昨年の例でいえば、半分は虫様にやられ、残りの半分は人間様の口に入った、といった状態であり、今年の場合も同様な傾向だ。
 これも、キャベツの立場で物を言えば、「半分は虫のご馳走、半分は人間様のご馳走」であって、「大いなる虫と人との共生」である、と言えるのではなかろうか。

 こうした経験から、虫にやられやすい作物の栽培に当たっては、我が家で必要とする量の倍を作付けすることにしているこの頃である。倍であっても手間は五十歩百歩であるから、どってことない。
 人間様の野菜泥棒と違って、ごっそり盗っていってしまうということは極めてまれであろうから、虫に対して敵がい心を持つことはないのである。
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