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日本列島の土壌は痩せているから野菜のビタミン・ミネラルも少ない [土づくり]

 日本列島の土壌は痩せているから野菜のビタミン・ミネラルも少ない、と言われています。では、諸外国とどの程度の違いがあるのか、これについてはなかなか情報が入ってきません。
 やっと一つたまたま入った情報が次のものです。ご紹介しましょう。(2005年:新谷弘美著「病気にならない生き方 ミラクル・エンザイムが寿命を決める」より引用)

 もうずいぶん昔の話ですが、アメリカで売られている野菜を初めて見たとき、私はその大きさにビックリしました。日本の野菜とはナスでもキュウリでも明らかにサイズが違うのです。ですから、きっとこれは同じナスでも種類が違うのだろうと思っていたのですが、じつは、日本の野菜も種をアメリカにもっていって蒔くと、日本で育てるよりずっと大きな実がなるのです。これは、アメリカの土壌に含まれるカルシウムやミネラル、ビタミンなどの量が、日本の土壌よりはるかに多いからです。たとえば、アメリカで育ったほうれん草に含まれるカルシウムの量は、日本で育ったものの3~5倍もあるといいます。
 一例をあげると、ブロッコリーのカルシウム含有量は、アメリカでは100グラム中178ミリグラムなのに対し、日本のものは同じ100グラムに57ミリグラムしかないというデータを読んだことがあります。(引用者注:日本食品標準成分表2010年版によると38ミリグラム)
 …土壌の豊かさというものは、その土壌に生息する微生物や小動物の数で決まるといっても過言ではないのですが、火山灰地の多い日本の土壌には、土壌菌のエサとなるものが少ないのです。
 …日本の土壌はもともとそれほど豊かではありません。…農薬は…農作物のエネルギーの根源である土壌生物たちの命をも奪ってしまいます。農薬を定期的にまいている農地には、ミミズもよい土壌菌もいません。そんなやせて生命エネルギーを失った土地では作物が育たないので、そこに化学肥料がまかれます。化学薬品の力で作物はできますが、それは形だけのエネルギーのないものになってしまいます。日本の農作物に含まれる栄養素の量が年々減っているのもこのためです。

 医師になってから長くニューヨークに在住し、毎年行ったり来たりして日本に4か月ほど滞在され、両国の実情をよく知っておられる新谷氏ならではの情報です。
 ところで、引用文中に「日本の農作物に含まれる栄養素の量が年々減っている」とありますが、過去にネット検索して見つけた表をグラフにしてみましたので参考までに示します。なお、日本食品標準成分表2010年版で例示品目のデータに変化はないかチェックしてみましたが、変わりありませんでした。
 
食品中の鉄・ビタミンC.jpeg

 ところで、アメリカにおける化学肥料の使用状況はどんなものでしょうか。アメリカでは既に戦前において化学肥料の多用による野菜の栄養素の減少が指摘されたことがあるのですが、今はどうなのか。この情報が入ってこないのが残念です。なお、ヨーロッパでは家畜の糞尿などを堆肥化し、化学肥料は滅多に使わない農法が定着しているとの、視察者からの報告を聞いています。

 さて、うちでは痩せた土壌の肥沃化ために、第一に焼畑農法(休耕田の刈り取った草や庭木の剪定ゴミなどの野焼きでできた灰を畑に撒く)を取り入れ、第2に有機肥料だけの使用に心がけています。加えて、使い捨てカイロから苦労して取り出した大量の酸化鉄もばら撒いています。
 となれば、アメリカ並みに肥沃な土壌になっていてしかるべき。
 しかし、大きな野菜にはなりません。もっとも、ナスやキュウリは収穫を1日延ばせば大きくなりますが、トマトは熟しても大きくなりませんし、冬野菜も皆、並みの大きさにしか育ちません。
 まだまだうちの畑はやせているのか? ここは、アメリカへ行って現地の土と野菜の育ち具合を実際に見て、かつ、野菜を食べてみないことには判定できないのですが、車でちょっと出かけてくるかとは参りませんので弱ったものです。

(2月22日追記)
 昨日テレビで米国の首都ワシントンの桜並木が映し出されました。今までテレビで何度か見たことがある花をポンポンに付けた元気で巨大な桜の木です。これはたしか100年以上前に日本から寄贈したもの。日本では100年もすると老木になり、こんなに大きくもならないでしょうね。米国の土壌は、やはり日本よりいいからでしょうか。
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