柿の木の消毒は止め!するとヘタムシ被害が激しくなったのだが、幹の皮を剥いだら何とかなりそうな感じに [柿]
柿の栽培については、以下のページに分けて記録している。
柿の木の冬剪定&施肥
柿の木の消毒は2015年から止め!するとヘタムシ被害が激しくなったのだが…
柿の木の夏剪定と摘果、その後の管理
今年の柿の収穫状況
このページでは、ひどくなったヘタムシ被害対策について記す。
最初に結論。 樹皮全体の皮むきに一定の効果が感じられたが、これも毎年のように行わねば効果がないであろう。
自宅前の畑にある3本の老木の柿の木。毎年梅雨に入ると“柿の木の消毒をせえ”と、今は亡きおふくろがやかましかった。ヘタムシ駆除の農薬散布である。
当地岐阜、富有柿の産地では年に7回も柿の木の消毒を行うという。産地から少々外れるが小生の友人が仕事の都合で忙しくて、ある年1回も消毒しなかったら、実る前に全部落果し、無収穫であったとのこと。これは産地では常識とのことのようで、小生が面倒だから1回しか消毒しない年があると言ったら、ビックリしていた。また、その後にたまたま会った富有柿産地の親戚の方の話では、9月頃までに8、9回は消毒しているとのこと。
リンゴでもそのようであり、1回も消毒しないと実が全く生らないようである。これは、どうやら農薬によって樹木が疲れ果て、免疫力が異常に低下してしまっているからだろう。以前、無農薬リンゴ栽培に挑戦して見事に成功させた方のドキュメンタリーをTVで見たが、これも免疫力をどうアップさせるかへの取り組みであったように思う。
よって、うちの柿の木も農薬散布したくないのだが、今は亡きおふくろが誰かに聞いてきて、“ヘタ虫駆除のためには梅雨時に3回消毒しなきゃあかん”と言う。よって、少なくとも年に1、2回は消毒せねばならなかった。
しかし、年に3回(6月末、7月半ば、7月末)消毒しても、ヘタ虫の被害に遭い、3分の2程度の実が梅雨末期頃に落ちることがある。なお、これはたいてい「生理落下」のようで、生った実が多いとそうなるようだし、受粉不良の実もやがて落ちるようで、この時期の落果はヘタ虫に限らないようだ。
でも、落ちなくても、どうせ摘果して半分以下にせねばならない。そうしないことには、大きな実にはならないからだ。天然摘果はヘタ虫だ!とばかり、摘果はしないことが多い。
(追記:消毒のベストな時期は6月中旬と8月下旬で、この2回だけでけっこうな効果があるとのことである。)
幸い、2014年には病弱となったおふくろは何も言わなくなったので、消毒を止めようと考えたが、その年は、試験的に庭木や雑草に徹底的に消毒したら夏野菜にどんな効果が出るか試したくなり、そのついでに柿の木にも2回消毒した。その結果はというと、夏野菜には全然効果がなかったし、柿もけっこう落果した。
よって、2015年からは消毒なしでいくことにした。そうしたところ、3年連続して落果が非常に激しくて収穫量はほんのわずかとなった。2015年は自家消費にちょうど足りた程度の収獲であったが、2016年は全部で10個ほど、2017年は80個ほどしか収獲できなかった。
無農薬を貫徹したいから、2018年1月に3本とも幹や太い枝の皮むきを実施(詳細は下記に記録)。なお、その皮むきは、3本で14時間を要し、大変な作業であったから、こんなことは今年限りだ、とそのときは思った。
これが功を奏したのだろう、その後の2年間は落果がまあまあ食い止められたものの、3年目の2020年は再び悲惨な状態となった。皮むきも、その効果は長く続かないのだろうか。
そこで、再度全体の皮むきするのは大変なことだから、その昔に太い枝を落とした箇所がコブになっており、これも3年前に樹皮剥きを行なったのだが、不十分であったこともあり、コブが分厚くなっている個所だけ2020年に皮むきを行なうことにした。3本で6時間を要し、少々うんざり。
また、2020年は、晩秋にむしろを切って幹に巻いてやり、ここに害虫を引き寄せて、早春に外して燃やすこととした。
そうしたところ、どれだけかの効果はあったのであろう、2021年は自家消費分ぐらいは何とか収穫できたが、落果は激しかった。
2021年の晩秋は、むしろを切って幹に巻いてやり、ここに害虫を引き寄せて、2022年早春に外して燃やすこととしただけとした。
そうしたところ、2022年は再び悲惨な状態となり、自家消費分も賄えないほどの落果となった。そして、9月のちょっとした台風(瞬間最大風速20m強)で、太い枝が1本折れた。老木につき、こうなるのであろう。
さて、今後どうするかである。皮むきに一定の効果が感じられたが、これも毎年のように行わねば効果がないであろう。とてもかような面倒な作業はできない。かといって、消毒もしたくない。ここは、もう放任して、なるようになれ!と、あきらめるしかなかろう。
つまり、敗北宣言である。もっとも、剪定はせねばいかんだろうが、今まで夏と冬の2回行っていたが、2023年からは冬剪定だけにしようかと思っている。御年75となる小生ゆえ。
各年の着果状況と収獲状況(カッコ内)、消毒回数を示す。
東の木 中央の木 少し離れた西の木 消毒回数
2012年 過多(過多) 過多(過多) 過多(過多) 2、3回
2013年 少々(少) 少々(少) 少々(少) 1回
2014年 少々(少) 多い(多) 多い(多) 2回
2015年 多い(少) 多い(少) 多い(少) なし
2016年 少々(無) 多い(極少) 多い(極少) なし
2017年 少々(極少) 多い(極少) 多い(少) なし
<2018年1月 3本とも幹や太い枝の皮むき>
2018年 少々(少々) 普通(普通) 少々(少々) なし
2019年 普通(やや少)過多(多い) 過多(多い) なし
2020年 普通(極少) 多い(極少) 少々(無) なし
<2020年12月 3本とも大きなコブの樹皮剥き>
2021年 少々(極少) 普通(少) 過多(普通) なし
2022年 普通(極少) 多い(極少) 普通(極少) なし
ところで、柿の落果が激しいのは、もう一つの要素として施肥が原因かもしれない。2013年までは施肥らしい施肥はせず、2014年から施肥を始めた。いずれも2月頃。
2014年 鶏糞を木の周りに適当にばら撒く
2015年 草木灰、米ぬか、鶏糞を適当にばら撒く
2016年 草木灰を大量にばら撒く
2017年 草木灰を大量にばら撒く
こうした施肥は他の果樹も同様であり、施肥のしすぎが原因してか、みかん(オレンジがかかったもの)は枯れそうになったし、イチジクは2本とも枯れてしまった。もっとも、イチジクはカミキリムシの被害がひどく、それが原因してかも。
よって、2018年からは全く施肥しないでいくこととした。もっとも、繁茂した雑草は草刈り機で刈ってその場に放置するし、夏剪定の若い枝や葉もその場に放置するから、それがやがて堆肥とはなろう。
以下、幹や太い枝の皮むき皮むきを中心に2018年以降の管理を記す。
<2018年幹や太い枝の皮むき>
(1月14日)
今年も無農薬で行きたい。そこで、昨年仕入れた情報「ヘタムシは樹皮に入り込むから冬期に幹の皮を剥ぐといい」を採択し、実行することとした。
まず1本着手。道具は庭の草引きに使う小さな鎌(ごく短いもの)である。幹は簡単に削り落とせたのだが、太い枝の所々に膨らみがある。枝落としした所が膨らんでいるのである。きっとここにもヘタムシ(幼虫?卵?)が潜んでいよう。しかし、ここを削り落とすのに難儀する。1本やり終えるのに4時間ほどかかっただろうか。
2本目に着手して1時間経ったところで日が落ちかけて本日ここまで。
(1月15日)
2本目を3時間かけて削ったが、太い枝の所々に膨らみが随分あり、完了せず。
(1月19日)
2本目の続きと3本目を処理する。なんとか今日中に済ませようと、所々に膨らみがある大きな枝、数本を切り取り、コブの皮削り箇所を少なくした。少々スッキリしすぎるくらい剪定・整枝してしまった感がする。
皮削りは3本で14時間を要し、大変な作業であった。こんなことは今年限りだ。
ところで、これでヘタムシは除去できたのだろうか。3本とも老木につき、昔に枝落としした付け根の部分に窪みがけっこうあり、そこに極小の幼虫がいたが、全部は掻き出せなかった。幹の樹皮には虫らしい虫は見なかった。枝の膨らみの部分にも見つからなかった。
今年も無農薬でいくが、ヘタムシ被害が出やしないか、心配である。
別の情報が入った。数年に1回、柿の皮を削っているという同級生の話では、柿の木の下にブルーシートを敷き、削りクズは全部回収して燃やしているという。先日小生がやったときは全部地面に落としている。ここのところの強い冷え込みでヘタムシが凍死してくれるであろうことを祈るのみか。
(3月4日撮影 皮を剥いだ3本の柿の木の姿)
(6月19日)
例年通り、まだ落果はほんのわずか。梅雨明けが近づいた頃から落果が始まるが、今年はどうなるか、である。
ところで、3本とも生りが悪い。昨年はたくさん実を付けたせいで(ほとんど落果したが)、今年は裏年になったからか、それとも樹皮を奇麗に剥いだから樹が弱ったのか。
(9月1日)
その後、少しずつ落果したが、過半は残っている。
(10月12日)
その後、落果はほとんどなく、今日、少々未完熟だが初収穫できた。今年は自家用に十分間に合い、食べきれないであろう。
一先ずの評価として「皮を剥いだことによりヘタムシ被害が随分と軽減された」ということになろう。
<2019年>
(5月18日)
昨日から早朝に夏剪定を始めた。実の着きようは昨年より良い。特に西の木は物凄い実の着きようで、摘果せねば小さな柿になりそうだが、込み合った実着きの枝を若干選るにとどめた。
(8月11日)
今日、徒長枝を切除したのだが、柿の実の落果は全くない。ヘタムシ被害はなくなったのである。あまりに込み合って生っている実は10か所ほど選ったのだが、時期が遅すぎ、選ったとしても実が大きくなるかどうか疑問。面倒くささも手伝って、摘果は止めにした。
(8月23日)
ここへきて、ポタポタと実が落ちだした。ヘタムシの被害であろう。生りが少ない東の木はマレであるが、隣の木と西の木に目立つ。
(9月7日)
その後も落果が続き、3本の木ともに半分は落ちた。この辺で止まれ!
(9月20日)
その後も落果が続き、3本の木ともに7割方は落ちた。やっとこの辺で止まりそうな気配がするが…。
(10月16日)
落果はその後なくなり、例年のことだが熟しだすと鳥に突かれだす。10月になって色付いたものは全部突かれた。10月10日になって鳥の突かれ具合が減り、10個ほど初収穫できた。その後も少々鳥に突かれるが、今日から本格的に収穫できるようになった。今年は十分に満足できる収穫量となる。
<2020年>
(9月22日)
今年は昨年より落果が激しく、ほとんど落ちてしまった。自家消費分もないだろう。ヘタムシかどうかはっきりしないが、虫害のひどさにうんざり。
(11月17日)
再度皮むきするのは大変なことだから、今日、むしろを切って幹に巻いてやり、早春に外して、そこに潜んでいる虫もろとも燃やすことにした。これがヘタムシにどれだけの効果があるのか分からないが、簡単な作業だから、やってみることにした。→翌年2月8日に外して燃やす。
(12月14、20日)
3年前に、ヘタムシ駆除のため、樹皮剥きを手間暇かけてやったが、その昔に太い枝を落とした箇所がコブになっており、これも3年前に樹皮剥きを行なったのだが、不十分であったこともあり、コブが分厚くなっている。そこで、大きなコブだけ樹皮剥きを行なうことにした。1本の木に約2時間も要し、少々うんざり。
<2021年>
(10月13日)
今年は昨年よりは落果が少なかったが、かなり落ちてしまった。数日前から少しずつ収穫を始めた。幸い鳥害が少なく、自家消費分は何とか確保できそう。
(11月8日)
昨年から始めたことだが、今日、むしろを切って幹に巻いてやり、早春に外して、そこに潜んでいる虫もろとも燃やすことにした。これがヘタムシにどれだけの効果があるのか分からないが、簡単な作業だから、やってみることにした。
<2022年>
(10月9日)
2年連続して、むしろを切って幹に巻いておいたものを早春に外して燃やしたが、効果は感じられなかった。ヘタムシ被害は今年はかなりひどい。
ほとんど落果したが、ブヨブヨになって色付いた、落果寸前のものが鳥に突かれている。わずかに残った硬くて色付いたものを今日10個弱収穫。
今年は鳥害も激しく、自家消費分も確保できない。
(10月16日)
硬いもので色付いたもの大半(約30個)を収穫。残り10個ほどで、今年の収穫量は全部で50個といった悲惨な状態。
柿の木の冬剪定&施肥
柿の木の消毒は2015年から止め!するとヘタムシ被害が激しくなったのだが…
柿の木の夏剪定と摘果、その後の管理
今年の柿の収穫状況
このページでは、ひどくなったヘタムシ被害対策について記す。
最初に結論。 樹皮全体の皮むきに一定の効果が感じられたが、これも毎年のように行わねば効果がないであろう。
自宅前の畑にある3本の老木の柿の木。毎年梅雨に入ると“柿の木の消毒をせえ”と、今は亡きおふくろがやかましかった。ヘタムシ駆除の農薬散布である。
当地岐阜、富有柿の産地では年に7回も柿の木の消毒を行うという。産地から少々外れるが小生の友人が仕事の都合で忙しくて、ある年1回も消毒しなかったら、実る前に全部落果し、無収穫であったとのこと。これは産地では常識とのことのようで、小生が面倒だから1回しか消毒しない年があると言ったら、ビックリしていた。また、その後にたまたま会った富有柿産地の親戚の方の話では、9月頃までに8、9回は消毒しているとのこと。
リンゴでもそのようであり、1回も消毒しないと実が全く生らないようである。これは、どうやら農薬によって樹木が疲れ果て、免疫力が異常に低下してしまっているからだろう。以前、無農薬リンゴ栽培に挑戦して見事に成功させた方のドキュメンタリーをTVで見たが、これも免疫力をどうアップさせるかへの取り組みであったように思う。
よって、うちの柿の木も農薬散布したくないのだが、今は亡きおふくろが誰かに聞いてきて、“ヘタ虫駆除のためには梅雨時に3回消毒しなきゃあかん”と言う。よって、少なくとも年に1、2回は消毒せねばならなかった。
しかし、年に3回(6月末、7月半ば、7月末)消毒しても、ヘタ虫の被害に遭い、3分の2程度の実が梅雨末期頃に落ちることがある。なお、これはたいてい「生理落下」のようで、生った実が多いとそうなるようだし、受粉不良の実もやがて落ちるようで、この時期の落果はヘタ虫に限らないようだ。
でも、落ちなくても、どうせ摘果して半分以下にせねばならない。そうしないことには、大きな実にはならないからだ。天然摘果はヘタ虫だ!とばかり、摘果はしないことが多い。
(追記:消毒のベストな時期は6月中旬と8月下旬で、この2回だけでけっこうな効果があるとのことである。)
幸い、2014年には病弱となったおふくろは何も言わなくなったので、消毒を止めようと考えたが、その年は、試験的に庭木や雑草に徹底的に消毒したら夏野菜にどんな効果が出るか試したくなり、そのついでに柿の木にも2回消毒した。その結果はというと、夏野菜には全然効果がなかったし、柿もけっこう落果した。
よって、2015年からは消毒なしでいくことにした。そうしたところ、3年連続して落果が非常に激しくて収穫量はほんのわずかとなった。2015年は自家消費にちょうど足りた程度の収獲であったが、2016年は全部で10個ほど、2017年は80個ほどしか収獲できなかった。
無農薬を貫徹したいから、2018年1月に3本とも幹や太い枝の皮むきを実施(詳細は下記に記録)。なお、その皮むきは、3本で14時間を要し、大変な作業であったから、こんなことは今年限りだ、とそのときは思った。
これが功を奏したのだろう、その後の2年間は落果がまあまあ食い止められたものの、3年目の2020年は再び悲惨な状態となった。皮むきも、その効果は長く続かないのだろうか。
そこで、再度全体の皮むきするのは大変なことだから、その昔に太い枝を落とした箇所がコブになっており、これも3年前に樹皮剥きを行なったのだが、不十分であったこともあり、コブが分厚くなっている個所だけ2020年に皮むきを行なうことにした。3本で6時間を要し、少々うんざり。
また、2020年は、晩秋にむしろを切って幹に巻いてやり、ここに害虫を引き寄せて、早春に外して燃やすこととした。
そうしたところ、どれだけかの効果はあったのであろう、2021年は自家消費分ぐらいは何とか収穫できたが、落果は激しかった。
2021年の晩秋は、むしろを切って幹に巻いてやり、ここに害虫を引き寄せて、2022年早春に外して燃やすこととしただけとした。
そうしたところ、2022年は再び悲惨な状態となり、自家消費分も賄えないほどの落果となった。そして、9月のちょっとした台風(瞬間最大風速20m強)で、太い枝が1本折れた。老木につき、こうなるのであろう。
さて、今後どうするかである。皮むきに一定の効果が感じられたが、これも毎年のように行わねば効果がないであろう。とてもかような面倒な作業はできない。かといって、消毒もしたくない。ここは、もう放任して、なるようになれ!と、あきらめるしかなかろう。
つまり、敗北宣言である。もっとも、剪定はせねばいかんだろうが、今まで夏と冬の2回行っていたが、2023年からは冬剪定だけにしようかと思っている。御年75となる小生ゆえ。
各年の着果状況と収獲状況(カッコ内)、消毒回数を示す。
東の木 中央の木 少し離れた西の木 消毒回数
2012年 過多(過多) 過多(過多) 過多(過多) 2、3回
2013年 少々(少) 少々(少) 少々(少) 1回
2014年 少々(少) 多い(多) 多い(多) 2回
2015年 多い(少) 多い(少) 多い(少) なし
2016年 少々(無) 多い(極少) 多い(極少) なし
2017年 少々(極少) 多い(極少) 多い(少) なし
<2018年1月 3本とも幹や太い枝の皮むき>
2018年 少々(少々) 普通(普通) 少々(少々) なし
2019年 普通(やや少)過多(多い) 過多(多い) なし
2020年 普通(極少) 多い(極少) 少々(無) なし
<2020年12月 3本とも大きなコブの樹皮剥き>
2021年 少々(極少) 普通(少) 過多(普通) なし
2022年 普通(極少) 多い(極少) 普通(極少) なし
ところで、柿の落果が激しいのは、もう一つの要素として施肥が原因かもしれない。2013年までは施肥らしい施肥はせず、2014年から施肥を始めた。いずれも2月頃。
2014年 鶏糞を木の周りに適当にばら撒く
2015年 草木灰、米ぬか、鶏糞を適当にばら撒く
2016年 草木灰を大量にばら撒く
2017年 草木灰を大量にばら撒く
こうした施肥は他の果樹も同様であり、施肥のしすぎが原因してか、みかん(オレンジがかかったもの)は枯れそうになったし、イチジクは2本とも枯れてしまった。もっとも、イチジクはカミキリムシの被害がひどく、それが原因してかも。
よって、2018年からは全く施肥しないでいくこととした。もっとも、繁茂した雑草は草刈り機で刈ってその場に放置するし、夏剪定の若い枝や葉もその場に放置するから、それがやがて堆肥とはなろう。
以下、幹や太い枝の皮むき皮むきを中心に2018年以降の管理を記す。
<2018年幹や太い枝の皮むき>
(1月14日)
今年も無農薬で行きたい。そこで、昨年仕入れた情報「ヘタムシは樹皮に入り込むから冬期に幹の皮を剥ぐといい」を採択し、実行することとした。
まず1本着手。道具は庭の草引きに使う小さな鎌(ごく短いもの)である。幹は簡単に削り落とせたのだが、太い枝の所々に膨らみがある。枝落としした所が膨らんでいるのである。きっとここにもヘタムシ(幼虫?卵?)が潜んでいよう。しかし、ここを削り落とすのに難儀する。1本やり終えるのに4時間ほどかかっただろうか。
2本目に着手して1時間経ったところで日が落ちかけて本日ここまで。
(1月15日)
2本目を3時間かけて削ったが、太い枝の所々に膨らみが随分あり、完了せず。
(1月19日)
2本目の続きと3本目を処理する。なんとか今日中に済ませようと、所々に膨らみがある大きな枝、数本を切り取り、コブの皮削り箇所を少なくした。少々スッキリしすぎるくらい剪定・整枝してしまった感がする。
皮削りは3本で14時間を要し、大変な作業であった。こんなことは今年限りだ。
ところで、これでヘタムシは除去できたのだろうか。3本とも老木につき、昔に枝落としした付け根の部分に窪みがけっこうあり、そこに極小の幼虫がいたが、全部は掻き出せなかった。幹の樹皮には虫らしい虫は見なかった。枝の膨らみの部分にも見つからなかった。
今年も無農薬でいくが、ヘタムシ被害が出やしないか、心配である。
別の情報が入った。数年に1回、柿の皮を削っているという同級生の話では、柿の木の下にブルーシートを敷き、削りクズは全部回収して燃やしているという。先日小生がやったときは全部地面に落としている。ここのところの強い冷え込みでヘタムシが凍死してくれるであろうことを祈るのみか。
(3月4日撮影 皮を剥いだ3本の柿の木の姿)
(6月19日)
例年通り、まだ落果はほんのわずか。梅雨明けが近づいた頃から落果が始まるが、今年はどうなるか、である。
ところで、3本とも生りが悪い。昨年はたくさん実を付けたせいで(ほとんど落果したが)、今年は裏年になったからか、それとも樹皮を奇麗に剥いだから樹が弱ったのか。
(9月1日)
その後、少しずつ落果したが、過半は残っている。
(10月12日)
その後、落果はほとんどなく、今日、少々未完熟だが初収穫できた。今年は自家用に十分間に合い、食べきれないであろう。
一先ずの評価として「皮を剥いだことによりヘタムシ被害が随分と軽減された」ということになろう。
<2019年>
(5月18日)
昨日から早朝に夏剪定を始めた。実の着きようは昨年より良い。特に西の木は物凄い実の着きようで、摘果せねば小さな柿になりそうだが、込み合った実着きの枝を若干選るにとどめた。
(8月11日)
今日、徒長枝を切除したのだが、柿の実の落果は全くない。ヘタムシ被害はなくなったのである。あまりに込み合って生っている実は10か所ほど選ったのだが、時期が遅すぎ、選ったとしても実が大きくなるかどうか疑問。面倒くささも手伝って、摘果は止めにした。
(8月23日)
ここへきて、ポタポタと実が落ちだした。ヘタムシの被害であろう。生りが少ない東の木はマレであるが、隣の木と西の木に目立つ。
(9月7日)
その後も落果が続き、3本の木ともに半分は落ちた。この辺で止まれ!
(9月20日)
その後も落果が続き、3本の木ともに7割方は落ちた。やっとこの辺で止まりそうな気配がするが…。
(10月16日)
落果はその後なくなり、例年のことだが熟しだすと鳥に突かれだす。10月になって色付いたものは全部突かれた。10月10日になって鳥の突かれ具合が減り、10個ほど初収穫できた。その後も少々鳥に突かれるが、今日から本格的に収穫できるようになった。今年は十分に満足できる収穫量となる。
<2020年>
(9月22日)
今年は昨年より落果が激しく、ほとんど落ちてしまった。自家消費分もないだろう。ヘタムシかどうかはっきりしないが、虫害のひどさにうんざり。
(11月17日)
再度皮むきするのは大変なことだから、今日、むしろを切って幹に巻いてやり、早春に外して、そこに潜んでいる虫もろとも燃やすことにした。これがヘタムシにどれだけの効果があるのか分からないが、簡単な作業だから、やってみることにした。→翌年2月8日に外して燃やす。
(12月14、20日)
3年前に、ヘタムシ駆除のため、樹皮剥きを手間暇かけてやったが、その昔に太い枝を落とした箇所がコブになっており、これも3年前に樹皮剥きを行なったのだが、不十分であったこともあり、コブが分厚くなっている。そこで、大きなコブだけ樹皮剥きを行なうことにした。1本の木に約2時間も要し、少々うんざり。
<2021年>
(10月13日)
今年は昨年よりは落果が少なかったが、かなり落ちてしまった。数日前から少しずつ収穫を始めた。幸い鳥害が少なく、自家消費分は何とか確保できそう。
(11月8日)
昨年から始めたことだが、今日、むしろを切って幹に巻いてやり、早春に外して、そこに潜んでいる虫もろとも燃やすことにした。これがヘタムシにどれだけの効果があるのか分からないが、簡単な作業だから、やってみることにした。
<2022年>
(10月9日)
2年連続して、むしろを切って幹に巻いておいたものを早春に外して燃やしたが、効果は感じられなかった。ヘタムシ被害は今年はかなりひどい。
ほとんど落果したが、ブヨブヨになって色付いた、落果寸前のものが鳥に突かれている。わずかに残った硬くて色付いたものを今日10個弱収穫。
今年は鳥害も激しく、自家消費分も確保できない。
(10月16日)
硬いもので色付いたもの大半(約30個)を収穫。残り10個ほどで、今年の収穫量は全部で50個といった悲惨な状態。
私も富有柿を2本 小さな畑にあります。
毎年30個位なるのですが、昨年はヘタ虫被害だと思うのですが
8月に全て落果してしまいました。 早生の富有柿なので、
あとチョットの所で とても悔しくて 泣きたい気持ちになりました。
どろんこさんのファーマシー日記 とても面白く 参考になります。
by らん子 (2020-04-21 17:04)
らん子様、コメント有り難うございます。
皮剥ぎが今のところ成功しています。
小生の日記が参考になるなんて光栄です。
by どろんこ (2020-04-22 07:01)
稲刈りも一段落で、摘果後見に行ってなかったひらたね5本の柿畑へ行ってびっくりしました。葉も実もすべて落果していました。9月上旬までは葉も生い茂り、実も多量に付いて摘果作業と剪定を追加で行ったところ。ヘタ虫というのがあるのですね。。私は親から引き継いで一年目で、消毒漬けはいやだから自力で実る柿の木に育てたくて一回も消毒しなかったのです。一昨年は霜害で実がゼロでしたので脱消毒二年目ということになります。この柿を今後どうするべきか…父母はもう木を切ってやめろといいますが、切らないで皮剥ぎ実験畑にしてみたいです。参考になります。
by ひよこ (2020-10-04 17:11)
ひよこ様、コメント有り難うございます。
ところで、うちの3本の柿の木ですが、今年はバタバタと落果してしまい、自家消費にも事欠く有様。やはりヘタムシが原因だと思われます。
皮剥ぎもまたやればいいかもしれませんが、1本剥ぐのに1日仕事になりますから、とてもできません。晩秋に、むしろを切って幹に巻き(ここにヘタムシなどが入り込んで越冬)、これを初春に燃やす、という方法を考えています。
by どろんこ (2020-10-04 17:53)
さっそくありがとうございます。いろいろ見てみましたらコモや冬にも消毒…とあり、薬メーカー発の情報みて、どろんこさんの長年の記録みて、それでも無農薬でやってみようかと思ってます。Blog月ごとの農暦も参考にさせていただきますね。昔は農暦小冊子がどの家にもありましたが…。今年は特に日照りと長雨が両方でした。ほかの果樹も葉が弱ってる感じありますね。弱い樹木や植物に虫はつき、栽培種で種なしなので元々弱い柿なのだとは思いますが。弱い子はじっくり手をかけると学びがありそうですね。
by ひよこ (2020-10-04 18:16)
なにかと柿が話題の頃となり、今年の派手に落果した経緯を振り返っているのですが、9月上旬に摘果不足と剪定の仕方がよくなかったので木の先端に大量の実がなってこのままだと木が折れそうだ…と枝切りとついでにだいぶ無駄に威勢よく伸びた新芽(ト調子)を丁寧に半日かけてカットしたんです。剪定の季節ではないので初心者でもあり切る前に丹念な消毒柿をつくってる叔父にト調子は切っていいものか聞いたところ「まあよいのでは」と言われました。いま、落果の様子が一斉で木全体と畑全体であることから虫というよりもウィルスや渋が熟する際の自己免疫疾患のような原因が?と思って検索に細菌を入れたところ「樹上でエチレン生成が誘導されずに落果を免れているのは葉がなんらかの形で果実のエチレン生成を阻害している」という論文をみかけました。また、剪定した枝を畑内に積んでありこの辺りも悪循環の原因のような気がしました。そしてそもそも柿種も消毒薬と一体の遺伝子種なのかもしれないので、何年か試行錯誤しながら考えたいと思いました。当面今年は畑の細菌撲滅、冬のうちに剪定をしっかりしておきたいと思います。
by ひよこ (2020-10-13 08:17)