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果樹栽培は無肥料・無農薬が基本とのこと。でも施肥したい。しかし、やっぱり止め。 [土づくり]

(2013年に投稿した記事)
 青森県のリンゴ農家に、昭和24年生まれの木村秋則さんという方がいらっしゃいます。20年ほど前に、11年もかかって、絶対に不可能と言われてきたリンゴの無肥料・無農薬栽培に成功されました。
 その切っ掛けは、嫁いできた奥さんが農薬過敏症で、畑に農薬を撒く度にアレルギー症状を起こし、何日も寝込むという状態が続いたからです。
 まず無農薬栽培に挑戦するも、りんごが1個もならず、木が枯れそうにもなります。万策尽き、とうとう追い詰められて、枝振りの良い木を探して山の中に入り、首を吊ろうとします。そこで、感じた足元の土の軟らかさと香り。
 これにハッと気付き、リンゴ畑のガチガチに固められた土を、今いる場所の土と同じ状態にしてやればリンゴが実るかもしれないと思って、土づくりに励まれたところ、とうとう無肥料・無農薬栽培に成功されたのです。
 
 このお話は映画にもなっていますし、度々テレビや新聞・雑誌で紹介されていますから、ご存知の方が多いと思いますが、昨日届いた「みやざき中央新聞」(10月28日)にも紹介されていました。
 無農薬によって樹木が自然治癒力を発揮することは、以前に聞いた木村さんのお話から知っていましたが、無肥料栽培をするとどういうことが起きるか、このことについては十分には承知していませんした。
 このことについて、その講演要旨から以下に抜粋します。

 本来、土にはバクテリアや微生物がたくさん生息していて、栄養分を生み出しています。ところが、肥料を与えられると、微生物たちはもう働かなくていいと勘違いして、休んでしまうのです。ですから、肥料を与えると土が痩せてしまうので、さらに肥料が必要になるのです。
 私の畑の土は、30年以上肥料を与えていません。しかし、窒素分は、通常の畑の何倍もあります。肥料を与えなければ、微生物やバクテリアが本来の力を発揮するので、土が肥えてくるのです。
 無肥料・無農薬栽培に挑戦し始めた当初、畑の土は、「うちの主人は肥料を一切与えてくれない。一体何を考えているんだ!」と思ったことでしょう。それで、バクテリアや微生物たちが会議を開いて、「栄養が足りない。みんなでまた働こう」ということになったのではないでしょうか(笑)。
 私は長い間、「土の上」しか見ていませんでした。しかし、大切なのは、「土の中」だったのです。
 木は根から土の栄養分を吸い上げます。土が豊かなら、木が健康になるのは当然のことです。「目に見えないこと」こそ、本当は大事だったということです。…

 いやー、これには驚きました。そして、納得させられました。
 考えてみれば、山の中の樹木は何かの動物によってガチガチに踏み固められた土なんてありませんし、落ち葉をバクテリアや微生物たちが分解して、それが樹木の栄養となる、という循環を繰り返しているのですから、樹木もイキイキ元気に育ち、実もたわわに付けることでしょう。

 さて、うちの柿の木ですが、昔は無肥料・無農薬で十分に実が生り甘かったです。もっとも無肥料といっても畑と隣合せですから、伸びてきた根っこが畑に撒いた肥料のおこぼれを吸っていたことでしょう。でも、3本の柿の木のうち1本は別棟の法面に植えられており、根が伸びているとしても畑とは少々距離があり、無肥料の状態なのですが、甘みは変わりませんでした。
 最近の20年間は数年ごとに柿の木の周りに数十センチ溝を掘り、有機肥料・堆肥・化成肥料を敷きこんでいますが、収穫量も甘みも変化が感じられません。
 柑橘類(みかん2種、甘夏)も柿の木と同様に施肥したのですが、こちらも何ら変わらずです。(注:施肥法を変えたら2年後に変化あり)
 何だか無意味なことをやっていたとしか思えないです。
 よって、今後は、この施肥の仕方を止めようと思っています。
 その変わりに、果樹の幹の周りをなるべく“立入禁止”にし、落ち葉や雑草は自然の状態でバクテリアや微生物たちに分解してもらえるように心がけたいと考えています。
 ところで、イチジクをどうするかです。物凄い勢いで枝が伸び、年に2回剪定しますから、土の中の栄養が不足してしまうのではないかと、心配になります。剪定した枝の草木灰(窒素分は枝には有れど灰には無し)と鶏糞(窒素あり)を少々撒かせてもらうことにしましょう。

<2016年>
(10月21日)
 以上、2013年に記事にしたのですが、なるべく樹木周りを踏みつけないようにし、伸びすぎた雑草は草刈機でざっと刈り、そのまま放置して堆肥化させる、これを基本としながらも、ついつい施肥してしまいました。
 というのは、甘夏は以前は酸っぱかったのですが、幹周りに有機肥料をじゃんじゃん施肥すると甘味が出るという話を聞き、そうしたところ年々甘味が出て酸っぱさが減ったからです。
 よって、他の果樹にも、ついでに鶏糞、米糠などをばら撒いてしまいました。これによって、味も素っ気もなかったみかんが甘くなりました。
 また、イチジクには草木灰を多くばら撒いたりしています。また、2014、5年に苗を植えたビワや桑には米糠をたっぷり撒くなど、施肥のし過ぎかもしれません。
 2016年春にはラジノ・クローバの種を果樹園全体にばら撒き、クローバ園にしようと目論んだのですが、伸びすぎて邪魔になる雑草を引いたり、雑草の上部を草刈機で刈ったりしたものの、クローバは雑草に負けてしまい、ほとんど全滅しました。
 今日は、雑草が伸びすぎている箇所が多かったですから、しっかりと草刈し、また、草引きし、刈り取った雑草を果樹園全体に敷き詰めておきました。
 今後の施肥は、甘夏だけに止めときましょう。
 なお、11月(7日に種蒔き)に、半分残っているラジノ・クローバーの種をばら撒き、あとは自然に任せましょう。
(12月19日)
 野焼きが近年難しくなってきました。そこで、野焼きはどうしても燃やさねばならないものに止め、堆肥化できる雑草などは樹木周りにまき散らすことにします。
 今日は、草引きで出た枯草などを柑橘類の周りにばら撒きました。

<2017年>
(5月10日)
 ラジノ・クローバーの秋蒔きがうまくいったようで、全部ではないが、けっこう広い範囲にクローバが繁茂している。
(8月13日)
 果樹は無施肥でいいと聞きながらも、つい施肥してしまった近年ですが、甘夏とみかんは施肥によって甘くなりましたが、それ以外は甘さに変化はなく、逆に「オレンジがかかったみかん」は枯れそうになったのですが、これは施肥の悪影響かもしれません。また、ブルーベリーが2年連続して実を付けなかったのも施肥のせいかもしれません。
 よって、今年からは全く施肥せず、畑で出た枯草で処分に困ったものを敷く程度に止めることにしました。
 本日、果樹園の大半に背の高い雑草が繁茂していましたので、草刈機でざっと草刈をしておきました。これが自然に堆肥化することでしょう。
(2019年8月追記)
 その後、ラジノ・クローバーはほとんど雑草に負けてしまいました。
 新たにスモモを植えましたが、そのときは深く掘って、刻み藁や枯草を埋め込むにとどめました。そして、果樹園には施肥はせず、枯草や剪定した枝の葉っぱをその場に置くにとどめています。
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