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2013.9.9 都市近郊の当地では使わざるを得ない農薬 [病虫害]

 当地岐南町は岐阜市近郊にあり、岐阜駅まで4キロと近く、都市化が著しい。農振地域や調整区域はわずかにあるだけで、国の施策による農地の宅地並み課税によって固定資産税収入が多く入るようになり、一時地方交付税不交付団体になったくらいで財政力指数は高い。よって、平成の大合併があっても近隣の市に吸収されるのを嫌って単独を通している。
 こうした立地条件にあっては、人や車の往来が多いのは当然であるし、農地の傍いたるところに民家や工場・商店・事務所があり、野菜の病害虫・病原菌の流入は防ぎようがない。また、畑の際の建築物で風通しが悪くなったり日陰になったりして野菜の免疫力が落ち、そうした場所で野菜の病害虫・病原菌が繁殖しかねないのである。
 よって、当地で野菜を栽培するに当たっては、無農薬で通すことは至難の技である。でも、何とかして無農薬でいけないものかと、あれこれ工夫をしている。
 夏野菜は、通常の時期での作付けであれば、大半がほぼ無農薬でいける。冬野菜は作付けを遅くすれば、これもほとんど無農薬でいける。春野菜は全くの無農薬で何ら問題ない。大ざっぱに言えばそうなる。

 しかし、どうしても農薬を使わざるを得ないものがある。
 その筆頭は、白ナス(薄い緑色=またの名を「翡翠ナス」と言うようだ)で、7月後半から花芽に虫が菌を持ち込むようだ。ナスの尻を黄変したゴリゴリのものにしてしまう。10月上旬まではずっと順調に収穫でき、珍しい上に焼きナスにするととても美味しいから、2畝も作付けし、当店のお客様に差し上げている。
 よって、農薬による予防消毒は欠かせず、それも4回必要となる。
 今年は、7月2日、7月20日、8月16日に行い、近日最終(追記:9月10日実施)の消毒を行うことにしている。20年にはなろう栽培であるが、試行錯誤して少ない回数で何とかならないかとやってみたが、最終結論は年4回である。それでも、途中で少々被害が出たり、10月になれば被害が出る。
 なお、今年は全てスミチオン乳剤を使い、効果的なような気がし、今までほとんど被害が出ていない。まだはっきりしたことは言えないが、今年から化成肥料を使うのを止めたし、追肥(有機肥料)も回数も減らして地中深く埋め込むことにしたことが、原因しているかもしれない。と言うのは、肥料の窒素分が地表近くにあると、それが虫を呼び、それでもって菌を持ち込むとのことである。
 よって、来年も今年と同じような実の付きようであれば、再来年は農薬噴霧回数を減らしてみようと思っている。(後日追記:白ナスはやはりしっかり農薬噴霧せねばならぬ。ただし、薬剤を厳選する必要があると思われる。)

 夏野菜で、もう一つ農薬を使わざるを得ないのは、コゴメ(アブラムシ)の大発生のときである。これは里芋にまで伝染する。原因は風通しが悪いのが一番であろう。どこかで大発生すれば畑全体に広がりそうだ。
 そうしたことから、畝幅なり株間を十分に取るようにしているが、それでも、発生するときは発生する。例年、様子見して自然消滅してくれないかと願うのだが、10数年の経験で、自然消滅か大発生か、だいぶ分かりかけてきた。
 今年は小発生したものの、自然消滅しそうな感がした。それが当たってホッとしたところである。この原因も、化成肥料を止めたことによるかもしれないが、今のところ何とも言えない。
 その他に、紫ナスを自宅前の畑で栽培しているが、例年、テントウムシダマシによる被害が大きく、葉は齧られ、そいつが持ち込んだ菌によりナスの実の尻が変形変色し、収穫量はわずかしかない。原因は風通しが悪いことによる。なお、ここはおふくろが施肥し、化成肥料を使っている。毎年これに農薬を適当に使うのだが大して効かない。今年は7月下旬まで大した被害が無かったのは極めて例外的なことであり、その後例年どおりの被害が生じたので、秋茄子仕立てにするとともにスミチオン乳剤を噴霧したところである。1か月経って最近出ている新しい葉は虫食いがなく、今後にできる実が秋茄子になるのを楽しみにしている。
 なお、トマトの収穫がピークを越えた頃に虫が湧いてトマトが熟す前にポタポタ落ちることがある。このときは消毒せざるを得ない。弱い農薬でもけっこう効く感じがする。今年も終盤に少しあったが我慢して使わないことにした。
 また、ゴーヤも9月には入ると虫が付くようになるが、収穫の終わりがけであるから、そのまま放置し、どこかで区切りを付け収穫終了とする。

 ついでながら、夏場にジャンジャン消毒する作物がある。これは草花である。一つはホウズキで、お盆にお墓詣りするのに欠かせないから、何度も農薬噴霧する。今年は5回やったが、それでも虫食いはかなり多かった。もう一つは鶏頭である。これは7月下旬以降で良いが、もう5回やったものの虫食いがかなり多い。
 そして、青シソも放置すれば葉っぱが全て食われてしまい軸だけになってしまう。薬味に少々使うだけだから、良さそうなものを探して摘めばいいのだが、今年は5回消毒したところ、一部の被害で止まっている。
 これらは、全て自宅前の畑であるが、建物があったりして風通しが悪い上に、おふくろが混みこみに種を撒いたり植えたりしているからそうなるのであって、これは何ともならない。
 なお、ミニバラの鉢植が2鉢あり、これも虫食いが激しいが、様子見しながら草花のついでに消毒している。

 そのほか夏野菜の虫害としては、ウリハムシによるキュウリ苗やメロン苗の被害があるが、これはとてつもなく強い農薬を使えば抑えられるかもしれないが、虫除けネットなり、他の代替策でしのぐことにしている。

 さて、これからの冬野菜であるが、早く作付けするものは虫害がひどいのは経験済みであり、それを軽減するために、先ずは種蒔き時や苗の植え付け時にオルトラン粒剤を入れているのが常である。
 これを使わずに何とかしようと思い、種の遅蒔き、苗の遅植えをやってみた。うんと遅くすれば無農薬で行けることは分かったが、大根は太くならず、ハクサイやキャベツは玉を巻かない。これでは何ともならない。
 よって、少しずつ早蒔き、早植えにしていったところ、やはり9月初めに行うとなると、オルトランは必須のような気がする。そこで、今年は第1弾の冬野菜は全てオルトランを使うことにした。
 それでも、昨年はビタミン大根の葉の虫食いがひどかった。そのまま放置し、虫食いの少ないものを残して生長させたのだが、今年もそうなりそうなら、防虫ネットを張るしかないと考えている。(追記:1、2日のうちに今年もかなり齧られていた。慌てて防虫ネットを張る)
 9月中頃に行う第2弾はオルトランなしでいけると考えている。

 しかし、その後、ハクサイが玉を蒔いた後、虫がいっぱい取り付くことがあり、そのときは消毒せねばならない。もっとも、それが十分には効かないことが多いが、虫1匹いないハクサイは残留農薬がありそうで、そんなものは食いたくない。自家消費では食べきれないハクサイであり、当店のお客様にも差し上げているが、虫がいることを承知してもらって、それの方がいいというお客様に差し上げることにしている。
 なお、防虫ネットを張ればかなり防げそうだが、1度やってみたものの気休めにしかならなかった。毎年そうしてみえる方に聞いてみたが、やはり気休めにしかならず、やらないよりはやったほうがいい程度だと言ってみえた。今年、どうするか。気が向いたらやってみるか、といったところである。

 以上、長々と農薬使用について書いてきたが、今後とも極力農薬を使わない方法を探っていきたいと考えているところである。
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