SSブログ

2013.9.6 適正な施肥量を決めるのは難しい [土づくり]

 今年から化学肥料を使わないことにした。有機栽培に取り組みたいと考えたからである。もっとも、法令上の「有機栽培」は、無農薬との絡みがあり、また、苦土石灰は例外扱いされるようで、ややこしい。
 うちが耕作している畑は果樹まで含めて2か所で10a程度であり、野菜を販売するわけではないから、法令はどうでもよい。①に美味しくて②に栄養価がある野菜が採れればよいのである。
 10aもあると全部を自家消費するのは不可能で、その多くは当店(薬屋)のお客様に差し上げている。よって、①に美味しく②に栄養価があるものを目指すことにしている。売り物ではないから形にはこだわらない。
 農薬使用については極力避けたいとは思っているが、どうしても使わざるを得ないケースがある。これについては、別途記事にすることにする。
 さて、うちが農協に注文して届けてもらっている肥料は次のとおりである。参考までに、使うのを止めた化成肥料も比較のため表に掲載した。  
                                       
                 窒素(%)  リン(%)  カリ(%)   
 <10a当たり目安量>  葉肥え   実肥え   根肥え
 従前使用の化成肥料    8       8       8   
 ふりかけ堆肥eco      1.9      2.1     1.0
  <5~10袋>
 ようこん(動物残渣)     3       5       3
  <10~30袋>
 牛糞(乾燥物換算)     1.4      2.1     2.7  
 発酵鶏糞           3.8      6.6     3.1 
  <10~12袋>
 種粕              5.3      2.0     1.0

 今まで、「ようこん(動物残渣発酵)」が何となく気に入っていて多用していたが、これが農協の注文書から外されてしまったので、「ふりかけ堆肥eco」に切り替えたところである。これがどういうものか、内容成分が表示されているが、不勉強でさっぱり分からぬものの、有機肥料に間違いはなかろう。

 ところで、これ以外にも肥料は使っている。
 一つは自宅の堆肥場で作る堆肥である。自宅で一人住まいのおふくろが出す野菜屑や畑の雑草を単に積み上げておくだけのもので、2、3年に1回掘り起こして畑に撒くという、いいかげんな堆肥作りである。これは、ほとんど自宅前の畑で使うだけである。
 もう一つは、「草木灰」である。自宅の堆肥場に積み上げたもので、堆肥にならないものを冬に休耕田の隅に持って行き、燃やすのである。これは、ついでのことであって、主体は庭木や果樹の剪定で生じた木の枝であり、次が休耕田の刈り取った雑草である。ただし、近年、野焼きがやかましくなり、通報されもしたが、それに懲りずやっているものの、休耕田の燃やす雑草は全体の2割程度に抑えている。ここで作った草木灰は、自宅前の畑と須賀前の畑の両方で使っている。
 そして、須賀前の畑では、ここで生じた野菜の残骸や柳の木の枝を畑の中央で燃やすことにしている。なお、堆肥になる野菜の残骸や雑草は、ヤーコンの畝に敷き、土寄せすることによって堆肥化させている。

 素人考えではあるが、草木灰は微量ミネラルが植物に吸収されやすい状態になっており、何にも増して重要な肥料ではないかと思っている。焼き畑農法がいい例ではなかろうか。そうしたことから、野焼きを再度当局に通報されても止めないつもりでいる。ダイオキシンがどうのこうのと一時騒がれたが、草木から発生する量はたかが知れているし、ダイオキシンの有毒性は考えられていたほど高くないことも判明しているから、煙が常時民家にたなびかなければ一向にかまわないとしてよいであろう。良く乾いているのを確認して燃やせば良いのである。 

 うちでは、この草木灰がけっこうな比重を占めるのではなかろうかと思われる。これに、適当に作った堆肥を併せると、購入した肥料の使用量は、相当落として良いのではなかろうか。
 もちろん無しで済ませるのは無理だろう。
 そこで、全く適当に購入した肥料を撒いているのだが、足りているのか不足しているのか、肥料袋に書いてある目安量からでは、判断のしようがない。なんせ4種類(夏野菜までは鶏糞を除く3種類)を撒いているのだから。

 でも、何とか適正な施肥量が求められないだろうか。
 しかし、これは、計算上からは無理であろう。
 そもそも、現状の土壌にどれだけ肥料分が残っているのか、特に、昨年まで使っていた化成肥料の残り具合である。
 昨年、初めて作付けしたサツマイモ2種類のうち1種類は完全なツルボケでほとんど収穫できなかった。全く施肥しなかったが、残っていた化成肥料が多すぎたからである。
 ということは、畑全体に化成肥料がかなり残っていると考えねばならない。
 農協勤めを定年で辞め、今は専業農家の同級生の話では、ネギ栽培は肥料過剰になりやすく、化成肥料が相当残っているとのことであった。うちも特産品の「徳田ねぎ」栽培はかなりを占め、肥料過剰になっているのである。
 化成肥料を使わなくなったことにより、今後は、それが早々に消えて行くと思われるのだが、有機肥料の残りというものも無視できない。これは、畝によって異なる。今年の場合、いんげん豆の作付けに失敗した。どれだけも樹勢が大きくならないうちに引き抜いたから、少なめに施肥していたものの、かなり残っているであろう。その畝の跡は、有機肥料も控えねばならないだろう。同じく栽培に失敗したトマト第3弾も似たようなものであるが、その跡は通常どおり施肥してしまった。
 こうして、化成肥料の残りがあるだろうし、畝によって有機肥料の残りがかなりある。耕運機でしっかり掻き混ぜれば均質化するであろうが、それを使わずにビッチュウでの人力起こしであるから、施肥した場所にそのまま残る。

 こうして、適正な施肥量が分からないまま耕作を続けていくしかないのが現状だ。 となると、うちの場合、草木灰や堆肥がまずはベースになるから、購入する有機肥料をケチって使い、肥料不足による生育不足を観察して、適正量を勘でつかむしかなかろう。
 特に、今年から尊敬する一宮市の自然農法家の方に刺激されて鶏糞も使うようになったから、肥料過多に陥りやすい。よって、今回の冬野菜からは、有機肥料は総じて少々ケチって使い始めた。
 今後は、有機肥料を少しずつケチり、どこまでケチったら生育不足になるかを観察していこうと思っている。

 どうでもいいことを長々と綴ってしまったが、この世はまさに飽食時代。あまりの栄養過多で体を壊すヒトが多いのは、稼業のファーマシーの立場から重々承知している。
 そして、同じ生き物である植物だって同じではなかろうか、と思い、野菜君たちにも「腹八分」にしてあげたら、より美味しくより栄養価が高いものをヒトに与えてくれはしないか、と勝手に考えている素人ファーマーである。
nice!(1)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 1

木村

私の場合は鶏糞1本ですので計算がしやすいのですが、今までいい加減に施肥していました。今後は、ネットで同じような農家のやり方を参考にしたり、泥んこさんのように、野菜の様子を見ながら適性施肥量を求めたいと思います。
by 木村 (2013-09-08 10:46) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0