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2011.10.17 お姫様そして女王様 [おふくろ]

 93歳のおふくろ、一人っ子ですから、まるでお姫様育ち。新家(分家)が直ぐ隣にあり、そこの従兄弟7人が皆、年下なものですから、お姫様は、女番長におなりになり、従兄弟たちを兄弟同然の扱いにしておられたようです。そうしたことから、新家の老主人は、彼女のことを「姉御」とお呼びになっておられます。
 専業農家で女の一人っ子となると、いずれは養子を迎えねばなりません。そこで、お姫様は戦後間もなくして養子をお取りになり、最初に生まれた子供が小生です。そのときには、彼女の父親は若くして病死していましたから、彼女は一家の女王様として君臨し、ときに、実の母親と衝突し、また、夫婦喧嘩をするも、その地位が揺らぐことはありませんでした。いかなるバトルが展開されようとも、彼女が負けたことは1度もなかったですからね。
 その後、彼女の母親が他界し、連れ添いも9年前に病死し、よって、女王様は、独居老人になられました。
 もっとも、週に2回は、店の2階を生活拠点としている小生が泊まりに行くし、毎日顔を合わせるようにしていますから、“半”独居老人ではありますが。
 目障りな2人が逝ってしまったので、彼女は、ついに女王様の地位を不動のものとされました。毎日のように自分に付き従うべき輩は、新家の老主人夫婦と自分の息子夫婦と考えておられるようでして、新家の老主人は「姉御の言うことには逆らえんわ。」とこぼしておられますし、また、息子の言うことなど“聞く耳持たん”となります。
 女王様が、自分一人では出来ず、手伝ってほしいことがあると、「あれ、やらなあかんで」と、ご本人は“お願い”しているつもりなのでしょうが、付き従うべき輩が直ぐに取り掛からないと、また、「あれ、やらなあかんで」と、何度も申されます。実質は“命令”以外の何物でもありません。

 さて、10月12日、女王様が頭痛のため、床にお臥しになられました。その原因は、畑仕事のやり過ぎによる疲れであろうと、小生は早とちりしたのですが、14日に偵察に行った女房の話によると、12日に風邪を引いて熱が出てふらつき、転んでどこかに頭をぶつけたとのことです。
 彼女が風邪を引くなど、ここ10年なかった珍現象です。その風邪の原因は、多分、11日の夕刻前に須賀前の畑(自宅から300メートル)へ冬野菜の育ち具合を見に行って、何がしかの畑仕事をし、少々汗をかいて、それが元でスコッと来て体が冷えたからでしょう。
 小生が13日、14日と顔を合わせた時には、「頭が痛いから寝てるわ」と言い、自分で畑に行けないから、小生に対して「大根を間引きせにゃ、あかんで」と申します。「分かっとる、3日間東京に行ってくるから、帰ったらやるわ。」と返答するも、耳の遠い彼女のことですから、どれだけ聞き取れたか不明ですが、多分、直ぐには小生はやってくれないと思ったに違いありません。
 当てにならない息子となれば、次のターゲットは従兄弟ということになり、小生が東京に出かけた14日に、彼女は新家の老主人に電話して、大根の間引きを“命じた”のです。店を営業中の小生の女房の元に、大量の大根の抜き菜が届けられました。とても一度に食べられるものではなく、よって、女房は、来店客に差し上げたり、隣近所に配ったり、新家の老主人にドリンクを持って謝りに行ったりと、たいそう振り回されたのです。
 小生が東京から帰り、本日、お昼におかずを持って覗いてみると、女王様は、まだ床に伏しておられました。何か欲しい物はないかと聞くと、体が痒くてかなわんから痒み止めを持ってきてくれとのこと。早速、塗り薬と内服薬(ともにソフトなもので、副作用が全くないもの)を届け、4時間後に再び覗いてみると、持っていったおかずを食べたようで、体調は依然すぐれないものの、大して心配することもなさそうな状態でした。
 隣の老主人が女王様の按配を気遣っておられましたので、今、おふくろが起きたから来てくれと呼びに行き、合ってもらいました。隣の老主人も、あの状態なら心配いらんわと、安心しておられました。
 しかし、今日で風邪が6日目となり、たいして食べていませんから、体力も随分と落ちてきているようでもあり、アミノ酸入りドリンクと整腸剤ドリンクを渡しておきました。少々心配です。明日には、普通に食べられるように回復してくれると助かるのですがね。
 93歳ともなると、風邪の回復も相当遅れるかもしれません。女王様のご母堂、小生のお祖母さんは、97歳のときに風邪を引き、それが元で寝込んで40日後に老衰で亡くなりましたから、そうならないとも限りません。
 それでは困ります。もう4年は生きなあかんぞ女王様。

(10月25日追記)
 その後の女王様のお加減ですが、18日にはかなり悪化。それが3日経っても良くなりません。
 どうも、風邪ではなくて、メニエルの疑いがあります。
 小生には、頭が痛い、何度も転んでより痛くなったと言うのですが、女房が行ったときには、めまいがするから立てないし、転んでしまうと言いますから、明らかに相手によって言い方を変えておられます。
 女房に言わせると、“鶏冠に来た、あの1件”の過労が寝込んだ原因となると、過去にも過労でメニエルになったことが何度かありますから、そのことを小生には知られたくなく、訴える症状に違いがあるのではと申します。そのような、簡単にばれてしまう嘘をおつきになられる女王様です。
 なるほど、そうか、と思った小生ですが、女房の話は聞かなかったことにして、頭痛の加減だけを毎日聞くことにしました。
 ほとんど寝たきりで、トイレに連れて行ってやろうかと聞くと、這って行くからええと、おっしゃいます。

 よって、日に2、3度、雑炊を食べさせ、滋養強壮薬を配合した特効ドリンクを作り、これは日に3度飲ませることにしました。
 その処方は、次のとおり。“これが効かなくてどうする”という自信作です。
 鹿茸製剤、牛黄製剤、刺五加製剤、丹参製剤をアミノ酸ドリンクに入れ、熱湯を注したもので、処方量は効能書きどおりではなく、老人であることを考慮して、2分の1~5割増とする。なお、カプセル剤は中身を取り出して溶かし込む。1回分約2000円相当。これでもって、銀杏葉エキス製剤2粒(140円)を飲む。

 21日には少々改善し、声も元気になってきているものの、今日25日になっても、まだ、寝ていることがほとんど。でも、23日から、朝、新聞を取りに行き、今日は新聞を読むまでに回復しましたから、そろそろ自分で雑炊をお作りになられることでしょう。“はよ、そうなれ!”

(10月29日追記)
 27日には、自分で洗濯もするようになり、自宅前の畑からキュウリを収穫するまでになり、冷蔵庫にしまってあるから持っていけと申します。しかし、あまりにも小さなキュウリまで採ってしまい、ええかげんにせえ、です。
 今日は、小生の種蒔きを見に来たり、仏花を切ったりと、外へも出るようになってきましたが、まだやっと動いているような状態で、元に戻るまで、まだ時間がかかりそうです。
 でも、ここのところ、雑炊を昼夜2回食べるだけでしたが、昨日、朝パンを食べたいと言うようになり、今朝、食パンを届けたところです。
(11月4日追記)
 11月に入ってからは、おふくろが自分で炊飯するようになり、外にも出て日に当たるようになりましたが、まだまだもとの元気さはないです。朝晩2回、特製ドリンク(牛黄製剤は抜き)を作って飲ませています。
(11月13日追記)
 その後、食欲が旺盛となり、3日前から特性ドリンクは朝だけとし、夜は、昨年と同じものを飲むように言っておきました。小便を遠くできる健康食品(カボチャの種を配合したもの)と漢方薬(鹿茸製剤1カプセル)です。
 今日は、毛布を洗濯して、それを物干し竿に掛けるほどに力も出てきていますが、まだよろよろしていて、少々危なっかしいです。
 でも、気だけはしっかりしていて、畑の大豆が色んでいるだろうから、抜いて来いと言います。干した後、叩いて豆を取り出し、ムシロに広げて干さねばなりません。けっこうな労働になります。今年は止めとけと小生が言うも、ちゃんと出来ると申します。
 ついでの作業を行って、畑から戻ったら、おふくろが庭先で寝ているではありませんか。日向ぼっこでもしているのかと思いきや、コンクリートの上に直接寝ていましたから、ああ倒れたのだ。例によって、めまい・立ちくらみの類です。随分元気になって、もう大丈夫かと思っていましたが、まだ抜けきっていない。抱き起こして椅子に座らせたところ、しばらくしたら家の中へ入って行きましたが、スリッパが片方残っています。まだ、めまいがしているのでしょう。
 口を酸っぱくして、めまいに効く銀杏葉を1日3回2錠ずつ飲めと言っているのですが、勿体無いからと言って、少ししか飲んでいないようです。何ともなりませんわ。
 ところで、お医者さんからもらっている薬、高血圧と心臓の薬それ以外に何か、とっくに切れているはずですが、どうなっているんでしょうね。そんなものは飲めば体によくないから飲むなと小生がいくら言っても、絶対に飲まねばならぬと信じ込んでいたのですが、薬がなくなっても医者に連れて行けとは決して言わない。なぜ?
(11月28日追記)
 11月13日の1件があったものの、その後は平穏無事に過ぎ、数日前には、自宅から店まで手押し車を引いて歩いてくるまでになりました。そして、大豆もムシロにきれいに敷いて、庭で干したり、倉庫へ片付けたりもしています。
 27日には、今年もカブラを千枚漬けにするから、引いて来いと申します。そして、今日28日には、塩付け作業をしています。
 ここまで回復すれば、もう安心できますが、歩き方を見ていると、寝込んだ以前の状態とは少々異なり、足腰の弱りはまだ完全には元に戻っていないようです。 
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